最近の若者世代には、男女の間で「ポリアモリー」という考え方が広まってるそう。日本語で説明するならば「複数恋愛主義」と言ったところで、複数人との恋愛関係をお互いに公認して関係を続けている人を「ポリアモリスト」または「複数恋愛主義者」という。
驚愕なのは、ポリアモリーな人たち(ポリアモリスト)にとっては、お互い浮気をすることが公認されているという点である。結婚しているポリアモリストの場合には、不倫さえも公認ということになり、何とやりたい放題で不埒な人たちなのだと思ってしまう。
ところが、ポリアモリーにおいては「浮気」や「不倫」とはちょっと考え方が違うらしい。
また、長い人生のことを考えると「ポリアモリー」には良い面がある。その良い面を利用して人生を好転させられるなら、ポリアモリストになるという選択肢もアリなのかも知れない。
ポリアモリーは『特殊な』開き直り!
ポリアモリーの考え方に賛同する人たちは、たとえ「配偶者」や「他に付き合っている人」がいても、さみしさを埋め合うためなら「さらなる愛情」を求めることを厭わない。そんな風に開き直っているから、狭い世界でのしがらみから開放され、より幅広い経験ができるそうだ。
ただし、お互いに事前の理解がなければ「ポリアモリー」は成り立たない。片方がもう片方の関係(もしくは複数以上の関係)について、きちんと「了承」していることが前提なのだ。
つまり「誰かれ構わず関係を持っても良いですよ」というワケではない。
例えば、パートナーが他に付き合っている人のことは誰だか知っていて、かつ、パートナーのポリアモリーだから大事にするのが「ポリアモリストの流儀」なのだそう。あくまでも相手の幸せを1番に思っているということらしい。
これまでにはない、かなり『特殊な』愛情関係であることは、お分かりいただけただろう。
ポリアモリーの意外な良い面とは?
例えば、旦那は身体が不自由なので、色々と支えてくれる恋人が欲しいとか、妻は旅行をするのが好きじゃないので、一緒に旅行できる別の恋人が欲しいとか、そういった解決策を人生に与えてくれるのが「ポリアモリーの良い面」として考えられているようだ。
本人たちは開き直っているので、浮気や不倫のような後ろめたさを感じることもなく、堂々と交際を楽しむ。それまで抱えていた問題やストレスが解消され、人生は良い方向に転がり出すというカラクリだ。しかも本人たちは納得しているので、周りもちょっと責めづらい。
日本における今後のポリアモリー
日本においては、カタカナ語が「別の意味」になってひとり歩きしてしまうことがよくある。だから、ポリアモリーも「間違った方向」へ行かないよう、十分に気を付けたいところだ。
例えば、いわゆる「オープンな関係」を公認する男女は少なからず存在している。そういったタイプの人と混同される可能性があるのだ。芸能人なら、叶姉妹やマイケル富岡が有名だが、こういった「無差別に関係を持つ人たち」のことは「ポリアモリスト」とは呼べない。
一方、これから先の日本社会でも、この「ポリアモリー」や「ポリアモリスト」という考えは浸透していく気がする。日本では性に関する外来語が普及するスピードがとても早いからだ。ただ、日本人に「ポリアモリスト」は長くて言いにくいため、「ポリアモラー」などの造語ができる可能性もありそうだ。旦那の彼女とか、妻の彼氏とか、そういった妙な言葉が飛び交う可能性もあり、そうなるとこれは日本社会の倫理観に大きな影響を与えるだろう。
ポリアモリーによる新しい幸せのカタチ
配偶者や恋人が「完璧で理想的」ということは、残念ながら少ないだろう。そのことについて不満を持ちつつも、愛と引き替えに仕方なく我慢しているという人は結構いそうだ。
だけど、もし「複数のパートナーとの関係構築」を前提にすれば、今までには得られなかった新しい幸せのカタチをもたらしてくれる可能性がある。ポリアモリーの可能性に期待している人たちは、ポリアモリーのコミュニティを作って新パートナーを探したりもしているそうだ。
もちろん、現時点ではまだまだ世間からの理解もないので、そう簡単ではないかもしれない。ただ、こういう考え方や生き方を知ることによって、人生を変えられる人もいるはずだ。
今回テーマとして取り上げた「ポリアモリー」。これにより人々にどんな幸せがもたらされるのか、社会にどう受け入れられるのかなど、僕自身も興味を持って見守っていきたい。