「さとり世代の特徴」と「ゆとり世代との違い」は何か? 実は、さとり世代とゆとり世代が意味する世代は重なっている。どうして世代が重なっているのかというと、ゆとり世代の人がさとり世代と呼ばれるようになった「経緯」から説明する必要があるだろう。
またこのページでは、僕たち『さとり世代』の特徴をよく示していると思われるブログ記事も後半で紹介している。さとり世代の特徴をもっとよく知りたいという人は、そちらも合わせて参考にしていただければと思う。
さとり世代と呼ばれ始めた時期
実は「さとり世代」という言葉は、2012年にネット上で誕生した比較的新しい言葉。それまで僕たち1987年~1996年生まれの世代は、いわゆる「ゆとり教育」を受けた「ゆとり世代」と大人たちには十把一絡げにされていた。でも僕たちの世代が社会に出るようになると、行動のパターンや性格的な特徴から、新たに「さとり世代」として認識されるようになった。
つまり「団塊ジュニア世代」が後から「バブル世代」と呼ばれるようになったように、僕たち「ゆとり世代」も、後から「さとり世代」と呼ばれるようになったのだ。
さとり世代の性格的な特徴
さとり世代の特徴は色々なところで説明されているが、僕自身は、楽観的なのか悲観的なのかよく分からないというのが、さとり世代の1番の特徴だと考えている。性格的には、これらの両面を併せ持っていると言う方が良いかもしれない。これは長所でもある。
そしてこれは、ゆとり教育を受けて育ったということと、バブル崩壊後の不景気な時代を見て生きてきたという2つの背景から説明することができると思う。
1.ゆとり教育のおかげで楽観的
ゆとり教育が僕たちに及ぼした影響は、やはり大きい。本来なら習うべきことを「難しいことは後回し」とされたり、好きなことは優先して良いと言われたりしたおかげで、あまり真剣に勉強をしなくても「どこかに道はある」という風潮がある気がする。
それと、ゆとり教育じゃない人たちは土曜日にも学校があったそうだが、僕たちゆとり世代は中学からは週休2日だったので、自由に好きなことをできる時間が多かったのだと思う。家でインターネットを使って色々なことができるようになると、高校時代の土日は一歩も外に出ることなく、お金も使わず、ほとんどすべての欲求を満たせることができていた。
とにかく頑張れば頑張るほど報われるというのは何だか違う。そんな風にも考えているから、さとり世代の僕たちは「完全に悲観的」といったわけではなく本質は「楽観的」なのだ。
2.不景気のせいで悲観的な目を持つ
僕たちの本質は「楽観的」だが、バブル崩壊後の不景気の中を育ってきたせいで、やり過ぎで過剰な消費政策などには、一貫して悲観的な目を持っている。これは事実だ。
また、お金を掛けて高いモノを買ったり、豪華な食事をしたり、贅沢な海外旅行をしたりする必要性もあまり感じない。友達やインターネット上の知り合いと協力すれば、無料で楽しめることはたくさんある。世の中には、消費されない無駄で高価なモノが溢れているからだ。
もちろん、時代に革新を起こしてくれるモノやサービスが登場することは嬉しい。とはいえ、現状の十分に良い暮らしを「効率良く維持していくこと」の方が優先されるべきと思う。もし僕たちの両親世代がもう少し楽になってくれたら、自分たちはどれだけ安心できることか。
世の中を変えるには、上の世代たちにも「消費優先の考え方」から抜け出して貰い、効率良く生きるための考え方を持って貰うことが欠かせないと思う。所有している「モノ」についてのこだわりや、日本の経済力への「過信」など、変にプライドの高い人が上の世代は多過ぎる。
さとり世代の仕事観や人生観
僕たちさとり世代の性格的な特徴は、仕事観や人生観にも大きく表れている。
仕事は自分の価値を重視
サラリーマンやOLとして働くことがもはや「当たり前」でなくなってきているのは、僕たちさとり世代が「楽観的な性格」と「悲観的な性格」を併せ持っているからだと思う。
嗜好品より人間関係を優先
タバコや酒といった大衆向けの嗜好品は、僕たちさとり世代から見ると「何で必要なの?」と不思議に見えることが良くある。最近タバコは本当に撲滅されそうなので嬉しい。
人生に必要なものは少ない
何でも「あれば良い」という考え方や「あるに越したことはない」という考え方がないので、さとり世代は『生粋のミニマリスト』と言える。
お金の問題にはうるさい
もうひとつ大事な「さとり世代の特徴」として、お金の問題にはとてもうるさいということが挙げられる。時代的な背景から、お金のことは自分で何とかしなければならない意識がある。
さとり世代はこれから!
さとり世代は「なぜ冷めたように悟っているのか?」と「ゆとり世代」から「さとり世代」になってもなお、批判を受けることがある。しかしそれは悪いことではなく、日本の新しい時代をつくる原動力にだってなるはず。そして、さとり世代はこれからである!
僕たちは、これまでの日本の企業や大人たちが「当たり前」だと思っていた部分を見直して、それを変えていく力を持っている。もうすぐ30代となる僕たちが組織を動かす中心になっていけば、これから入ってくる「次のさとり世代」と団結して、色々と変えやすくなっていく。
そう、バブル世代が一世を風靡して社会現象となったように、さとり世代が社会を変えていく時代が来ようとしている。もう「これだからゆとりは…」とも言わせない。さとり世代には、これまでの日本の悪いところを直していく力があるのだから。